
「メンタル休職」と聞くと、どうしても、ネガティブなイメージがあるかと思います。
仕事を休んでいる間、同期との差は開いてしまいますし、自分の業務スキルも鈍ってしまいます。
収入が減ったり、出世が遅れる可能性もあります。
ですが、休職中に病気と向き合い、自分の心の中を見つめる経験をすることで、異なる景色が見えてきます。
少なくとも、僕は、そうでした。
僕は、適応障害で10ヶ月ほど、会社を休職したことがあります。
休職期間中は、復帰に向けて、通院やカウンセリング、リワークプログラムなどに取り組みました。
このときに学んだことや、出会った方々との思い出は、一生忘れることのない、かけがえのない経験です。
そんな休職期間を経て、僕自身、変わったと思うことや、得たものを、改めて振り返ってみようと思います。
自己管理が上手になった
自分の心や体調の変化に、敏感になりました。
これは、休職中におこなった自己分析やトレーニングのおかげだと思います。
メンタル不調で通院したり、カウンセリングを受けたことのある方は、たぶん、何らかのトレーニングを経験しているかと思います。
呼吸法とか、マインドフルネスとか、瞑想法とか、認知行動療法とか。
少なくとも、自分の心の中や、感情について、見つめる機会は多いと思います。
僕の場合、「生活記録表」を、毎日丁寧に書き続けたことが大きかったです。
おかげで、自分の体調や気分を、数値化して把握できるようになりました。
ちなみに「生活記録表」とは、毎日の行動内容や、気分・体調を記録するシートのことです。
僕は最初、テキトーに書いていましたが、考えを改めてきちんと書くようになりました。
詳しくはこちらの記事でまとめています。
生活記録表をマメに書いていたおかげで、
「あー、この作業ちょっと面倒だな・・・疲労度3レベルくらいか・・・」
「課長の今の発言、ムカつくなぁ・・・不快度4レベルに達するくらいウザいわ・・・」
みたいな感じで、脳内に数値が浮かぶようになりました。
そのおかげで、、、
- 疲れているときは、レベル4以上の作業をしないでおこう。
- 疲労度3くらいの状態だったら、もう少し頑張っても翌日に響かないだろう。
みたいな感じで、自己管理能力が上がった、と自分では思っています。
無理をするとエラいことになるのは、経験上分かっているので、意識してセーブするようになりました。
それでも、無理をしなきゃいけないときは、溜め込んだ疲労やストレスを、すぐに発散させることを意識しました。
ストレス発散については、後述しますね。
他人のことを、(少しは)気にするようになった
休職する前の僕は、他人に対して無関心なタイプでした。
社内政治とか、社内の恋愛事情とか、同期の〇〇が評価高いとか、まったく興味なかったです。
いや、まったくというのは嘘かな・・・少しは興味あるくらいでした。
そんな性格ですので、飲み会参加も、同期とのつながりも最低限でした。
休職を経験してからは、他人に対する興味が、自然と湧くようになりました。
うわー、先輩、また面倒な仕事を振られてる・・・
これ、僕なら不快レベル4の仕事で、相当キツく感じるのに・・・
今、どんな気持ちなのかな・・・
みたいな感じで、自分や他人の心の動きに敏感になりました。
考えてみると、、、
休職期間中は、カウンセラーの先生との面談で、「自分の心の中」を、イヤというほど見つめました。
リワークプログラムでも、自分の心のクセや傾向を、ずっと観察し続けました。
毎日書いていた「生活記録表」には、自分の感情をメモし続けました。
そんな感じで、「自分の心の中」を、まるで研究者のごとく観察し続けていると・・・
やっぱり、「他人の心の中」にも、自然と興味が湧いてきました。
興味、というよりは、他人を気にする「余裕」が生まれているのかもしれません。
もしかすると、「自分の心の中を把握できている」ということで、自信がついたのかもしれません。
まだまだ至らない点は多いと思いますが、、、
少なくとも、同僚よりは、「自分の心の中」を見つめるトレーニングをしてきた、という自負があります。
その自信が、他人を思いやる「余裕」になったり、他人と接するときの「不安」を和らげてくれているのかもしれません。
ちなみに、自信をつけることは本当に大切だと考えています。
僕は休職中に、自信を回復させるために、色々と取り組みました。
そのときの取り組みは、以下の記事でまとめています。
もちろん、他人と絡むことで、精神的な疲労が増えるリスクがありますし、実際増えたこともあります。
そんなときは、冷静に距離を置きました。
そのあたりのコントロールも、休職期間中に学んだスキルの一つだと思っています。
本やブログ記事などを多く読むようになった
これまでよりも、圧倒的に、読書したり、ブログ記事を読むようになりました。
カウンセリングやリワークプログラムを通じて、「世の中には、色んな役立つ知識がある」ことに、改めて気づいたからです。
また、色んな人の、色んな考え方に触れたいと思うようになり、ブログ記事をよく読むようになりました。
SNSなどをチェックするようになったのも、この頃です。
上でも書いたとおり、他人への関心が高まったためなのかもしれません。
本やブログ記事などを読んで、
「自分だったら、こうするな・・・」
「自分だったら、こっちの考え方をするな・・・」
みたいな感じで、気持ちを想像しながら読むことが楽しくなりました。
あと、僕の担当をしてくれたカウンセラーさんが、物知りでカッコよかったってのもあります。
読書家で、色んなことを知っていて、僕が話すネタにも、見事に対応していました。
「プロのトーク力、半端ねぇなぁ・・・」
そんな姿にあこがれて、本を読み始めた、というのも、理由のひとつです。
本を読むうえで、よく行くようになったのが、本屋さんです。
気になる本を買いに行くときはもちろん、作業に煮詰まったときや、リフレッシュしたいときにも、ふらっと出かけます。
たくさんの本棚を眺めていると、新しいアイデアやインスピレーションが湧いてきます!
嫌な感情やストレスを早く発散するようになった
仕事やプライベートでストレスを感じたり、嫌な気分になったら、すぐに発散するようになりました。
その日の体調や気分に応じて、運動したり、家でアロマを楽しんだりしています。
嫌な感情を心に溜めたまま放置すると、モヤモヤするし、だんだん膨らんでいく気がします。
なので、なるべく早いうちに、発散するようにしています。
最近よく使っている方法が「感情ノート」です。
やり方はとてもシンプルでして、今の気持ちや感情を、正直に、ノートに書き殴っていきます。
僕はパソコンの前にいることが多いので、PCのメモ帳にいつも書いています。
スマホのメモ帳アプリなどに書いてもいいと思います。
詳しくは、こちらの記事でまとめています。
自分の心の中の、嫌な感情やストレスを書き殴ることで、心の中のモヤモヤが吐き出された感覚になります。
また、吐き出された感情が「文字」として見えることで、自分の感情を客観的に見ることができ、冷静になれます。
個人的に、とてもおすすめなストレス発散法です。
さいごに
とりあえず、パッと思いついたものを書き上げました。
たぶん、まだまだあると思うので、随時、書き足していきたいと思います。
休職したばかりの頃は、↓こんなことばかり思っていました。
「自分は、なんと無駄な時間を過ごしているんだろう・・・」
「同期と差をつけられてしまう・・・出世も遅れるだろうなぁ・・・」
でも、長い人生で考えると、これほど、自分の心の中を見つめる機会はありません。
自分について深く知ることは、一生モノの価値があると僕は思っています。
たとえ数年、数ヶ月、仕事を休んだところで、長い人生からみれば、ほんのわずかな期間ですし。
自分の「向き・不向き」や、「好き・嫌い」を把握することで、今後の人生を、より豊かに、より快適にできると思うんです。
そのことに気づけただけでも、休職して、自分を見つめ直せて良かったと思っています。